第五世

以安智察禅師いあんちさつぜんじ

• 生年…永正十一年(1514)
• 没年…天正十五年(1587)　二月二十六日　七十四歳
• 出身…古田氏(大仙寺の前身不二庵を建てた檀越)
• 出生…細目(八百津町八百津)

　享禄四年(1531)二十五歳の時先照瑞初禅師の門下に入り、寝食を忘れるほど研鑽。天文十七年に師から印可状を受ける。同年六月七日先照が遷化するや、大仙寺の住持となり、弘治三年(1557)十一月十七日に犬山の瑞泉寺へ住山した。入寺の自筆法語た川辺町の臨川寺に現存する。永禄八年の猿喰城の戦いの直前に行われた信長による犬山城攻撃戦では、瑞泉寺も兵火にかかり焼失。妙心寺の田舎本山たる瑞泉寺の荒廃については、一刻も早い復興を皆願った。しかし、尾張の信長と美濃の斎藤竜興が敵対中で手の施しようがなく、永禄十年に稲葉山の竜興が滅ぶと共に濃尾平野にも平和が訪れ、復興の気運が起こった。天正十年(1582)伊自良の東光寺へ転じた。東光寺は三世の玉淵和尚が遷化した後、長らく主席を欠き荒廃がひどくなっていた。以安は門徒と共に尽力して諸堂を再建。晩年、以安和尚は、東漸宗震、建章瑞寅、惟天景縦、斗山玄泰、瑞雲宗呈の五名の法嗣(はっす…後継者)を残し、天正十五年二月二十六日遷化。七十四歳であった。